同時廃止と管財手続きとの違い【自己破産の2つの方法】
債務整理の最終手段と言われる『自己破産』ですが、実はそのやり方は一つではありません。方法には2つのやり方があり、それが『同時廃止』と『管財手続き(管財事件)』です。
なお、どちらも最終目的は借金を免責して、返済する責務を免除してもらうことなので、目指すべきところは変わりません。
ちなみにどちらの方法を選ぶかは、債務者に資産があるかどうかで決まります。債権者に分配する資産が無い場合には『同時廃止』、ある場合には『管財手続き』を選ばなくてはいけないです。
なお、2つが一体どのような方法なのかについて、以下で詳しく解説します。自己破産での債務整理を考えている方は、ご参考にしてください。
1.同時廃止

資産が無い場合の『同時廃止』の手続きについてですが、こちらは流れが非常に分かりやすいです。
住民票のある地方裁判所に『破産手続きの開始』と『免責』の申立てをして、あとは裁判官と面談(場合にはよっては書類審査のみ)をして終了です。
手続きをするために必要な期間も短く、およそ4ヶ月程度で免責までが完了します。
参考記事:自己破産の手続きの流れ【借金がなくなる債務整理の方法】
2.管財手続き(管財事件)

一方、資産がある場合の『管財手続き』になると、流れが少し複雑です。
まず、破産手続きを申し立てると、資産の調査と処分を行う役割を果たす『破産管財人』が裁判所から選ばれます(大抵の場合はあなたの担当弁護士)。
そして、破産管財人が財産の調査を終えると、財産を処分して現金に換えて(換価)、各債権者にその債権額に応じて、平等に分配がされるんですね。
そのように、資産の調査と処分があるため手続きが複雑になる上に時間もかかります。ちなみに、管財手続きの場合は、完了するまで、一般的には半年から1年ほどの時間が必要です。
参考記事:資産がある場合は自己破産に時間がかかる【管財手続きの流れ】
以上、2つの自己破産の方法の解説になります。
なお、管財手続きは面倒だからという理由で、資産を隠して自己破産をしようと考える方もいるかもしれません。しかし、それだけは絶対にやめてください。
というのは、資産を隠したまま自己破産をしようとして、それが明るみになると免責が裁判所から認めてもらえなくなるからです※。
※ 資産の隠ぺいは免責不許可自由の1つです。他の免責不許可事由については、次の記事が参考になります。
自己破産しても免責されないケースがある!【免責不許可事由】
そうなってしまえば、ただ単に裁判所から破産者の認定をされただけで、借金の返済の責務は残ったままになります。それでは何のために債務整理をしたのか分かりませんからね。
本記事のまとめ
自己破産には『同時廃止』と『管財手続き(管財事件)』の2つの方法があります。
どちらで手続きを行うかについては、債権者に配当できる資産・財産があるかどうかが判断材料です。