給与所得等再生で給料が変動していたら返済額はどうなるの?
安定した給与収入ある方が利用できる債務整理方法に『給与所得等再生』があります。
なお、この方法での返済額は『可処分所得』を元に算出されます。そして、可処分所得とは以下のように計算されるものです。
可処分所得 = 収入‐(税金 + 社会保険料 + 生活費)
上式からも分かるように、可処分所得を計算するためにはあなたの収入が必要なのですが、大抵の場合は再生計画を立てる直近2年分を平均して算出します。
「じゃあ、ここ2年間で収入が不況やリストラの影響で急激に下がった人や、その逆に急増した人はどうやって計算すれば良いの?」
このご時世、不況の影響で収入が下がることは珍しくありません。また、ブラック企業からホワイト企業へ転職した人の場合には、転職後は残業代が支払われるようになり、収入が増加したという人もいるでしょう。
もちろん、そのように収入が増減した場合の、正しい可処分計算方法はあります。
以下では、収入が減った場合と増えた場合のそれぞれの可処分所得の計算方法を解説しますので、ここ数年で給与が変動したという方はご参考にしてください。
可処分所得の計算方法
収入が減った場合

リストラや業績悪化の影響でここ2年間の収入が減っていた方の場合、直近の収入で可処分所得を計算すると返済金額は現実離れした低いものとなってしまいます。
そのため、可処分所得を求める際には、減少する前の年収をベースにして計算するんですね。
収入が増加した場合の可処分所得

一方、転職や会社の業績アップの影響で収入がアップした場合には、どう計算すれば良いのでしょう?
この場合には、増加後の収入を元に可処分所得が決定されます。
つまり、給料が下がった場合には下がる前に収入を基準に、給料が上がった場合には増加後の収入を基準に計算するんですね。どちらにしろ、多い方の収入で返済額は計算することになります。
どっちみち多い方で計算するなんて、不公平に感じるかもしれません。しかし、債権者の不利益を防止するためや、不正に収入を操作して借金の減額をすること避けるには、これは仕方の無いことです。
また、『給与所得者等再生』を利用する条件を満たしている人は、『小規模個人再生』を活用して借金返済をすることもできます。
そちらの方法でしたら、返済額の計算には可処分所得は考慮されません。
小規模個人再生なら、『最低弁済基準額』を元にして借金の返済額が計算されるため、少しでも返済額を減らしたい方はそちらで申立てをすれば良いだけの話です。
なお、どちらの方法で借金整理をするにしても、専門家に相談しておいた方がトラブルなく申立てを勧められます。ですので、借金問題に悩んでいるなら、まずは無料相談をできる弁護士もしくは司法書士に話を聞いてもらうことお勧めします。
本記事のまとめ
可処分所得は、給与が下がった場合には下がる前の収入で、上がった場合は増加後の収入で計算されます。
不況の影響で、ここ2年の収入が減っていても可処分所得が減る訳ではありませんので注意しましょう。