小規模個人再生が認可されるかどうかは書面決議で決まる
借金整理の方法の『小規模個人再生』とは、企業が会社の立て直しに利用する『民事再生』の個人版のような制度のことです。
ただし、再生計画を実施する上での申立て手続きは、全く違うものですので同じものと考えてはいけません。
小規模個人再生は、個人が利用することを前提として施行された制度です。そのため、民事再生と比較するとはるかに利用しやすい制度になっています。
特に注目して頂きたいのが、認可されるかどうかが『書面決議』だけで決定される点です。この点については、民事再生手続きとの比較を踏まえた上で、詳しく知っておいて欲しい内容のため以下で詳しく解説します。
小規模個人再生は債権者集会を行う必要はありません

企業が民事再生手続きを実施するためには、債権者集会を開いて再生手続きの可否を決議を原則しなくてはいけません。
ただし、小規模個人再生の手続きでは集会を開く必要は一切ありません。こちらは書面だけの手続きで、再生計画を認可してもらうことが可能です。
そのように民事再生と比べて、制度が簡略されている理由については、借金の総額が小さいためと考えられています。複数の消費者金融やカードローン会社から借金している人の場合、一社当たりの債務は大きくないケースがほとんどですので。
それから、集会を開かなくても良いこと以外にも大きく異なる点があります。それは『消極的同意であっても、再生計画が認可される』という点です。

小規模個人再生の書面決議では、同意しない場合のみ書面で回答をすることになります。そのため、業者から回答が無い場合には、再生計画に同意したと捉えられるんですね。
そして、一定数以上の不同意が集まられなければ、再生計画は認可されます。これが、消極同意でも認可されるということです。
ちなみに、不同意の議決者の数は二分の一より少なく、不同意者の債権総額が二分の一を越えない場合には、その再生計画は認められたことになります※。
※ 再生計画の決議を含めて、個人再生が認可されるための流れは次の記事が分かりやすいです。
参照元:個人再生の手続きの流れ
そのように、一般的な民事再生と比べると、債務者にとっては障壁が少なくなっていますので、自己破産はせずに借金整理をしたい方にとっては、使いがっての良い制度と言えるでしょう。
それに、消費者金融に在籍している取り立てのプロの中には、怖い方がいることも事実です。また、闇金から借金している場合には、しゃべるのも恐ろしいという方もいるはずです。
そんな方達と顔を合わせることのなく、借金整理を進められるというのも債務者にとっては大きなメリットと言えます。
ただし、小規模個人再生は書類上の手続きは複雑なため、利用を考えている方は自分一人では行わずに、弁護士に相談することをおすすめします。
小規模個人再生の相談可!おすすめの弁護士事務所
本記事のまとめ
民事再生の個人版と言えるのが『小規模個人再生』です。
この制度は債権者集会を開くことなく、書面決議のみで再生計画が認可されますので、債務者にとっては非常に便利な制度と言えます。