任意整理では返済計画が実行できるかを事前にテストされる
債務整理をする方法の中で、最も有名な方法は間違いなく自己破産です。借金をしたことが無い方でも、この言葉を知らない方はほとんどいませんからね。
ただ、借金の額が200万以下の場合に、自己破産という手法を選ばれる方はそれほど多くはありません。それよりも、債権者と話合いで問題を解決する『任意整理※1』という方法を選ばれる方が多いです。
※1 話合いで借金問題を解決する任意整理について、詳しくは下記の記事をご参照ください。
任意整理とは【知っておきたいメリットとデメリット】
任意整理であれば、名前が官報に載ることもありませんし、自宅や車のような資産を手放す必要もありません。そのように債務者にとってはメリットが大きいため、選択する方が増えているのでしょう。
しかし、任意整理と自己破産では決定的に違う点があります。それは、『任意整理ではお金を返済しなくてはいけないということ』です。
もちろん、返済額は債権者と弁護士とか交渉することによって、元金や利子が減るケースが多いですが、ゼロになるケースほとんどありません※2。
※2 過払い金があった場合には例外です。もし、過去に利息制限法を超える金利で返済をしていた場合には、過払い金と元金が相殺されて借金がなくなる場合もあります。
つまり、任意整理ではお金を本当に返済し続けることができるのか?が重要なポイントとなってくるわけです。
せっかく弁護士さんが消費者金融やカード会社と交渉して、借金を減額できたとしても、それを返済できなければ意味がありませんからね。
そして、本当にその方に借金を返済できる力・意思があるかを確かめるために、事前にテスト(リハーサル)をする弁護士さんが多いです。
任意整理を実施する前のテスト(リハーサル)とは

任意整理の事前テストと言っても、別にペーパーテストを実施する訳ではありません。どんな内容かというと、弁護士さんから指定された額を毎月積み立てるというものです。
もし、指定の金額を積み立てることができなければ、任意整理をする能力はこの人は無いと判断されて、別の借金整理の方法(自己破産や個人再生)を見つけることになります。
借金整理後のデメリットが少ない任意整理でなんとか済ませたいのなら、このテストに合格するために浪費はせずに決められた金額を、毎月きちんと積み立てなくてはいけません。
毎月の積み立ては任意整理の予行演習だと考えて、真面目に取り組むようにしてくださいね。
なお、積み立ての開始時期は、次のページで紹介している任意整理の流れの『2.利息制限法に基づき過払い金が無いかを計算』の段階で、お金を積み立てをするように言われるケースが多いです。
任意整理の手続きの流れ
記事のまとめ
任意整理の前には本当に返済できる力があるかを確認するために、弁護士から指定の金額の積み立てを指示されることがあります。
これに失敗すると、別の債務整理方法を模索しなくてはいけませんので、本当の借金返済のつもりできちんと積立るようにしましょう。