任意整理をすると未払い利息や遅延損害金は払わなくて良い
任意整理をすることのメリットを、借金の金額自体が減ることだと思ってはいませんか?
たしかに、借金の元金が減ることは債務者であるあなたにとっては大きなメリットです。しかし、任意整理が良いところはそれだけではありません。
実は債務者にとって、次のような大きなメリットもあるんですね。そのメリットというのが、以下に記載する3種類のお金を支払わなくても良いという点です。
■任意整理の交渉が成功すると払わなくて良いもの
- 未払い利息
- 遅延損害金
- 将来利息
なお、これら3つの項目について、あまり聞いたことがないという方もいらっしゃるかと思いますので、続いて詳しく解説します。
1.未払い利息

任意整理が弁護士が引き受けると、債権者(あなたにお金を貸している人)に対して受任通知が送られます。この受任通知を受け取った時点から、債権者はあなたに対して取り立てを行うことができなくなるんですね。
任意整理の交渉が終了するまでは、借金の返済はストップします。弁護士からも交渉が済むまでは、返済をしないでくださいと注意されるはずです。
つまり、その間は借金を返済をしないため、債権者からすると未払いになっている利息が出るわけですね。この利息のことを『未払い利息』と呼びます。
なお、弁護士が債権者から取引履歴(あなたが業者から借りてる借金についての)を開示してもらい、正しい債務額の引き直し計算が完了するまでは少なくとても3ヶ月はかかるので、その間は利息を払う必要がありません。
2.遅延損害金

借金には返済期限が必ずあります。その返済期限を守らなかった場合に、債権者に対して支払う損害賠償金が『遅延損害金』です。
任意整理の交渉に入ると返済はストップします。業者からすると遅延損害金が発生している状態になるのですが、任意整理の和解交渉が成立するとこのお金も支払う必要はありません。
3.将来利息

将来利息とは、任意整理の交渉が成立してから完済予定日までに発生する利息のことです。これについても、和解交渉が成立すれば支払う必要はありません。
借金が減らない大きな理由は間違いなく利息です。特に分割回数を多くしている方の場合、毎月の返済で支払っているお金の大半は利息なので、元金は減ることはほとんどありません。ですから、返しても返しても借金が減っていかないわけです。
しかし、将来利息が発生しなくなれば、業者に支払う金は元金に返済に全て充てられるため、借金は毎月同じペースでどんどん減っていきます。
例えば、50万円の3年でかけて返済する場合、利息が発生しなければ毎月の返済額はおよそ13,888円で済むんです。支払額も利息が発生しないため、ぴったり50万円で良いことになります。
これが利息制限法の上限金利18%(10万円以上~100万円未満)の場合には、利息だけ15万円以上を支払わなくてはいけませんからね。これでは返済がしんどくなって当然です。

その将来利息を支払わなくて良いのですから、債務者にとっては非常に大きなメリットと言えます。
以上が任意整理の和解交渉が成立したときに、支払わなくて良い利息・損害金です。
ただ、ここまでを読んで次のような疑問を感じた方もいるかと思います。
「任意交渉は弁護士と債権者と話し合い解決するんだから、それら3つを全て認めない業者(消費者金融やクレジット会社)も中にはいるんじゃないの?」
たしかに業者の中には、それらの金額を少しだけでも良いから払ってくれと、弁護士にお願いしてくる人達も過去にはいました。
しかし、『多重債務者に対する任意整理を処理するための全国統一基準』として日弁連(日本弁護士連合会)が平成12年(2000年)に採択したので、現在ではそれらの要求を弁護士が認めることはありません。
そして、業者側もそのことを把握しているため、最近では未払い利息・将来利息・遅延損害金を要求してくる方もほとんどいなくなりました。
利息が無くなることは、借金返済を成功させるためには強い追い風になります。そのため、たとえ借りてる金額少なくても、返済に困っているのなら任意整理を弁護士にお願いするメリットは大きいです。
本記事のまとめ
弁護士に任意整理を依頼すると、未払い利息・遅延損害金・将来利息の3つを支払わなく良いように業者に対して和解交渉を進めてくれます。