任意整理と特定調停との違い【話し合いでの借金整理の比較】
借金整理にはいくつかの方法がありますが、その中でも債権者と債務者との当事者同士の話し合いで借金問題の解決を目指すのが『任意整理』と呼ばれる方法です(当事者同士で問題を解決するため、私的整理とも言われます)※。
※ 任意整理による債務整理の進め方については、次のページで詳しく解説しています。
任意整理の手続きの流れ【弁護士に依頼する前に知っておこう】
なお、当事者同士の話し合いといっても、素人が消費者金融やクレジット会社に、借金を減らしてくれるようお願いするのは難しいです。お金を借りている個人が、借金を減らしてと業者にお願いしても、残念ながら相手にはされません。
「○○さん、借りたものは返すのが当たり前じゃないですか?そんなことは、幼稚園の子供だって知ってますよ」と説教をされておしまいでしょう。

そのため、業者に交渉をしてもらえるように、任意整理では借金問題解決のプロである弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士が任意整理を受任すると、業者はあなたに対して直接取り立てができなくなるため、弁護士と交渉をするしか返済してもらう方法がなくなります。ですから、弁護士が介入すると、交渉に応じてくれるんですね。
そして、任意整理と同じく話し合いで解決する債務整理の方法に『特定調停』があります。では、任意整理と特定調停では、何がどう違うのでしょうか?
特定調停は裁判所が間に入ってくれるので、弁護士に依頼をしなくても進められる

特定調停の大きな特徴は、債権者と債務者との間に裁判所の調停委員が入ってくれることです。そのため、弁護士に依頼をしなくても、借金問題の解決に向けて話し合いを進めることができます。
もちろん、弁護士費用を払う必要もありません。ですから、できるだけ費用を抑えて借金整理をしたいという方にはおすすめできる手法です。
なお、任意整理でどのくらい弁護士費用が必要なのかについてですが、例えば借金問題に強い『そうや法律事務所』に任意整理を依頼すると、着手金39,800円、成功報酬19,800円、減額報酬10%が掛かります。

『そうや法律事務所』は値段設定がすごく良心的な法律事務所ですが、それでも4万円近い着手金が必要なんですね。
そうや法律事務所の料金表はこちら
一方、特定調停の場合は申し立て手数料と切手代を合わせても、わずか2千円程度に済みます。費用面で考えると、特定調停が有利なのは一目瞭然ですよね。
ただし、注意しなくてはいけないのが、特定調停は任意整理と比較すると、デメリットに感じるところが多いところです。正直、費用以外に良いと感じる点はほとんどありません。
詳しくは次のページで解説していますが、ザッと挙げるだけでも「一人で準備をするので時間と手間がかかる」、「過払い金を取り戻すことができない」、「未払い利息や遅延損害金は支払う必要がある」などのデメリットがあります。
特定調停は任意整理よりも、おすすめな債務整理の方法なの?
実際、それらのデメリットのせいか特定調停をする方は、毎年どんどん減っています。
しかも、話し合いに合意ができなければ調停は不成立になるため、準備してきたことが何もかも無駄になってしまうんですね。
そして、調停が不成立になった場合には、任意整理や自己破産や個人再生のような借金整理の方法について、またイチから検討しなくてはいけません。
ですので、それらのデメリットを踏まえた上で、本当に特定調停をするべきなのかどうかを判断するようにしましょう。
なお、任意整理をしたいけど弁護士費用を払えるどうか心配という場合は、相談料無料&分割払いが可能な弁護士事務所で相談をされれば良いでしょう。それなら、報酬をまとめて支払う必要がありませんので、自分のペースで支払いができます。
例えば、先ほど紹介した『そうや法律事務所』や『サンク総合法律事務所』なら相談が無料ですし、報酬の分割払いや後払いにも対応をしてくれます。
本記事のまとめ
特定調停は任意整理と同じく、話し合いで借金問題を解決する方法になります。任意整理との大きな違いは、債権者と間に裁判所の調停委員が入ってくれるため、弁護士に依頼をしなくても交渉を進められる点です。
ただし、費用以外のメリットはあまりありませんので、特定調停を検討している方は慎重に考えてくださいね。