住宅ローンの利息だけの返済要求があったときの対応方法
住宅ローンの滞納を続けている、借入先の銀行から「このままでは、期限の利益が喪失して一括返済をしなくてはいけなくなってしまいます。ですので、せめて利息だけでも払ってもらえませんか?」のようなお願いをされるケースがあります。
このようなお願いをされると、「担当さんには借入のときにお世話になったから、せめて利息だけでも払っておこかうかな」と考える方は多くいます。
ですが、情だけでは決して判断してはいけません。ローンの支払いは来月も再来月もずっとやってくるものです。
たとえ、今回は利息だけでしのぐことができても、来月以降に返済ができないのであれば、自分の生活を切り詰めてまで利息を支払う意味はありません。
それは、典型的なその場しのぎです。もちろん、今月さえしのげれば、来月以降は余裕を持って返済できるのなら、がんばってでも利息を支払った方が良いでしょう。しかし、それができないのなら、結局は競売で強制退去をさせられるのが落ちです。
競売での立ち退きをさせられると、あなたには何も残りません。ですので、きちんと今後の収入や支出の状況を判断して、本当にこのまま支払いを続けるのかを検討するようにしてください。
住宅ローン返済猶予法が廃止された背景

なお、2009年から住宅ローンの支払いを猶予する住宅ローン返済猶予法(モラトリアム法)というローンの元金支払いを猶予される法律が施行されたのですが、結局はこの法律は2013年に廃止されました。
その廃止の背景にあったのが、単にローンの支払いをしばらくの間、利息だけに猶予されても、問題を先送りしているだけであり、根本的な解決には何もなっていないということです。
たとえ、しばらくは金利だけの支払いを認められても、元金は1円も減りません。払い続けても、元金が減らないそんな無茶苦茶な返済計画を、誰だっても続けられる訳がありません。
賃貸マンションなら給料が下がって、家賃が高いと感じるようになったら、当然ですが安い物件に引っ越しますよね?
それと同じでローンの返済が苦しいのなら、家を処分して少しでも身軽になるべきです。その方が心の負担も減り、精神衛生上も良いですからね。そのため、返済のことで少しでも悩んでいるのなら、任意売却を利用して家を売却した方がよっぽど良いでしょう。
任意売却であれば、たとえローンの支払い中の物件であっても、債権者と交渉して売却することができますからね。
なお、任意売却のメリットやデメリットについては、次の記事で詳しく解説していますので、そちらの内容をご参考にしてください。
任意売却のメリット・デメリット【競売される前に確認!】
本記事のまとめ
ローンの支払いを金利だけに優遇されても、元金は1円もへりませんので、それは問題を先送りしているだけです。
返済が苦しいのであれば、任意売却で自宅を処分してローンの負担を減らすことを考えるようにしましょう。