任意売却後の残債の返済・整理の3つの方法
任意売却をすれば、住宅ローンは全てチャラになると考えている人もいるようですが、それは間違った考えです。
たしかに、アメリカではローンが返済できなくなり、自宅が差し押さえられた時点で残債が帳消しになるノンリコースローンが主流です。しかし、残念ながら日本ではそのようなローン契約はまずありません。
たとえ、任意売却をして持ち家を手放したとしても、残債を返済する義務はあり、ローンを代位弁済した保証会社もしくは、債権を買い取ったサービサーに対して返済を続ける必要があります。
ただし、任意売却後の借金は担保を取られてない無担保の借金ですので、いくつかの対処方法を取ることが可能です。そこで以下では、その中でも代表的な3つの方法を解説します。
任意売却後の返済をどうしようか悩んでいる方や、今まさに残債の返済で苦しん出いる方は、ぜひ参考にしてください。
1.返せる額を少しずつ返済していく

まず、1つめの方法があなたの返せる額を毎月少しずつ返済していく方法です。最も多くの方が選ぶのが、この方法になります。
なお、毎月の返済額は何円にすることという決まりはありませんので、無理をしてまで額を増やす必要はありません。
債権者に対して、あなたの収入や生活費の内情を誠意を持って説明すれば、「それだったら、毎月の返済は〇万円にしましょう」などのように業者側から提案があるはです。
それが無理のない額であるなら、その金額を毎月返済していけば良いでしょう。債権者としても、無理な要求を出して自己破産されては、1円も回収できなくなりますから、ある程度はあなたの要望も聞いてくれます。
2.自己破産

どうしても返済する余裕が無いなら、自己破産をするのも1つの方法です。自己破産で免責が認められれば、残債は1円も返す必要がなくなるため、最も負担が減る方法になります。
また、任意売却後は所有不動産もないため、他に大きな財産がケースでは、自己破産は同時廃止扱い※となり、免責までの時間も非常に短いです。
※同時廃止による自己破産については、次の記事で詳しく解説しています。
同時廃止と管財手続きとの違い【自己破産の2つの方法】
なお、自己破産をするとブラックリストに登録されるため、ためらう方が多いようですが、任意売却をする時点ですでにブラック登録をされていますので、その点は気にしないで良いでしょう。
ただし、自己破産をすると官報に掲載されるため、その点をデメリットに感じる方にはおすすめできない方法です。
3.任意整理

3つの目の方法が任意整理による残債の減額です。残債を全て返済することが難しい場合、弁護士に依頼すれば債務の減額や利息の廃止などを、債権者に対して交渉してくれます。
なお、どれだけ残債を減らすことができるかは、交渉する弁護士の腕や、あなたの収入・生活環境により大きく変わってきます。そのため、どれだけ減額できるかは一概に答えることはできません。
ですが、ケースによっては残債のほとんどが免除になるケースもありますので、返済を続けるのが苦しいと感じている方は、一度弁護士に相談してみるのが良いでしょう。
次の記事で紹介している弁護士であれば、任意整理の案件に強いため、残債を減額させたいと考えている方は、一度相談してみることをおすすめします。
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本記事のまとめ
任意売却後に残る債務について、3つの対処方法を紹介しました。
どの対処方法が自分に合うかは、人それぞれですので、あなたの状況を考えた上で、最適な方法を選択するようにしてくださいね。