自宅が競売になった人を狙う悪徳業者の手口【抗告屋の話】
任意売却をしようと考えている人を狙う悪質業者がいることを、下記の記事でご紹介しました。記事内でも紹介したように、そのような業者に依頼をしてしまっては任意売却自体に失敗する可能性が高くなるため、くれぐれも注意しなくてはいけません。
任意売却の悪質業者には注意!電話や勧誘DMで判断しよう
そして、同じように競売で自宅が競り落とそうとされそうな方をターゲットにして、近づいてくる悪徳業者もいます。彼らは抗告屋(こうこくや)と呼ばれており、競売開始手続きがスタートしまった人はそのような業者に注意することが大切です。
そこで以下では抗告屋の手口について解説します。自宅が競売になる可能性がある方は、知っておくべき内容ですので、ぜひチェックしてください。
抗告屋の手口

抗告屋があなたに近づいてくるときの勧誘文句で特に多いのが、「競売終了までの時間を引き延ばして、時間稼ぎをしてあげましょうか?」というものです。
競売で物件が競り落とされそうな人の中には、任意売却を同時進行で進めている方もいるはずです。しかし、任意売却での買主が見つかる前に、競売が終了してしまっては、任意売却は失敗ということになります。
そのため、彼らは「良かったら任意売却が完了するまで、私達が競売終了の時間を稼いであげましょうか?」と誘ってくるわけです。

では、彼らが何をしてくれるのかといいうと、競売手続きに対して不服申し立ての方法である執行抗告を行うだけです。つまり、あなたの代理で抗告を行うのが彼らの仕事であり、それが抗告屋の名前の由来になっています。
「でも、執行抗告を代わりに行ってくれるんだったら、特に悪質性は無いんじゃないの?」
不服申し立て理由がまともなものであれば、審理が地方裁判所から高等裁判所で行われることになるので、たしかに時間稼ぎにはなるでしょう。しかし、それは高等裁判所へ審理が移行された場合の話しです。
ですが、抗告屋の不服申し立て理由は、大抵の場合が「落札価格が安すぎる」といっためちゃくちゃな理由です。最低落札価格は裁判所が決めているものですから、そんな理由で審理が移行されることはまずありません。
結果、執行抗告は地方裁判所で却下されるので、たいした時間稼ぎにもならないわけです。
それに、きちんと抗告を代行する業者はまだマシな方です。業者によっては、何も広告をすることなくて、依頼主から料金だけもらって、行方をくらます業者もいますからね。くれぐれも抗告屋には引っかからないようにしましょう。
本記事のまとめ
抗告屋は、競売終了の時間を引き延ばすことができるという勧誘文句で近づいてきます。しかし、きちんとした理由が無い執行抗告には時間稼ぎの意味はほとんどありませんので、そのような業者はきっぱりと断るようにしましょう。