清算価値保障の原則とは【個人再生をする前に知っておこう】
債務整理の方法として、世間的に認知度が高く有名なものは間違いなく自己破産でしょう。小説の題材にされたり、お金が絡むドラマのセリフでも登場するフレーズなので、ご存じの方も多いはずです。
なお、この自己破産という方法では、債務者が所有している持っている資産である持家は基本的に処分しなくてはいけません。ですが、たとえ借金が苦しくても、家族との思い出の詰まった家は、絶対にそのまま残しておきたいという方は多くいます。
そして、そのような人が利用しやすい借金整理の方法では、次の記事で紹介した個人再生という債務整理の方法です。
個人再生のメリットとデメリット【債務整理の方法を解説】
この個人再生であれば、持ち家は残したまま債務整理を進めることができます。ですので、今住んでいる家はそのまま、自分達のものとして、残しておきたい方にはメリットの大きい手法です。
ただし、個人再生での再建計画を裁判所や債権者に認めてもらうためには、清算価値保障の原則を必ず満たさなくてはいけません。
この原則を満足しない場合には、あなた再建計画は認められず、自己破産による借金整理をするしか方法は無くなってしまうので、注意するようにしましょう。
では、清算価値保障の原則がどのようなものなのか?について、以下に詳しく解説します。
自己破産したときの配当よりも多くの金額を返済しなくてはいけない

清算価値保障の原則とは、「あなたが自己破産をして財産を処分した配当金よりも、多くの金額を返済しなくてはいけない」という決まりのことです。
つまり、あなたに持ち家があった場合、それを処分したときに出る配当予想金額よりも、たくさんのお金を債務者に返済しないといけなくなります。
なぜ、このような決まりがあるのかというと、そうでなければ自己破産するよりも有利な条件での再建計画が進むことは、債権者にとっては不利益になるからです。
お金を借りてる立場からすれば、府理不尽な条件に感じるかもしれませんが、債権者からすれば「だったら、破産して家を処分してくださいよ」となるのは当然のことです。そうでなければ、債権者が個人再生を許可する意味がありませんからね。
多少時間がかかっても、破産するよりもたくさんのお金を回収できると考えるから、あちらも個人再生での再建を認めているわけです。
ですから、持家を守りたいという方は、清算価値保障の原則を満たしてまでも、守る価値のある家なのかを十分に検討した上で債務整理の方法を検討してください。

また、自分の借金・資産の状況で本当に個人再生が最適なのかを知りたい方は、法律事務所か法務事務所に一度相談してみることをおすすめします。

なお、どこの法律事務所に相談すれば良いか分からない方は、次の記事で解説している『借金解決診断シミュレーター』を活用すれば、すぐに条件にマッチした法律事務所・法務事務所を調べることが可能です。
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本記事のまとめ
清算価値保障の原則とは、破産をした際にどれだけの資産が債権者に配当されるのかを予想して、その金額以上を債権者には返済しなくてはいけない決まりです。
個人再生(小規模個人再生・給与所得者等再生)では、この原則を満たさなくては再生計画が許可されません。