1000万円の借金で自己破産をした友人の体験談
私が初めて彼から借金の話を聞いた時、笑いながらその友人は「どうにもならないなぁ」と笑っていました。それはあきらめた笑いではなく、楽観的な笑いに聞こえたんですね。
そのときは飲みの席だったので、「儲かっているのを隠しているだけかも?」と気にもせずその場は終わりました。
ただ、それかれ1年後、彼が病気で倒れたと聞きに、事業も立ちいかなくなり、借金を放置していると辛そうに話してくれました。そして、その話を聞いた私を含む友人達で、なんとかできないかと素人ながらに行動した話です。
彼は30代で事業を行っていました。事業と言っても大きいものではなく、個人での細々としたものです。奥さんはいましたが、借金のことは知らず、最近景気が悪くなったと悩んでいたぐらいしか分からないとのことでした。
ですので、借金については彼から直接聞くしかありません。入院中の彼に見舞いしたときに、借入先とおおまかな借入金額を話してもらいました。
消費者金融数社と税金の滞納。合わせて合計で1000万ほどの借金です。
借り入れたお金は遊びやギャンブルには一切使わずに、すべて生活費にまわしていたそうです。そして、業績が回復することなく、数年前から首がまわらなくなったとのことでした。
いつか妻や家族に迷惑がかかるのではないかと、ずっと一人で悩んでいたそうです。また消費者金融からの取り立て自体は、主に催促の手紙でしたが、どんどん強気な文面になっていきました。
そして、最後には法的措置をとると書いてあるのを見てから、怖くなって携帯電話も見れなくなったとのことです。
そこまでが彼から聞いた内容です。その話をした後で、私たちは病気が治ったら法テラスへ行くよう彼に勧めました。法テラスというのは、弁護士さんに無料相談をしてくれるところです。
彼は退院後にそちらへ行き、相談したとのことでした。弁護士さんは無料にも関わらず親切に対応して下さり、様々な方法を教えてくれたそうです。
さすがに第三者の私たちには教えてくれませんでしたが、本人は、自分には資産もなく借金しかない状況だから、自己破産して再スタートすると決断しました。弁護士費用も30万くらいで済んだそうです。
あとはどうして借金をしたのか、もし破産して借金が0になった後は生活ができるのか?など弁護士さんから質問はあったそうですが、それをきちんと答えたら、書面作成などはすべて弁護士さんがおこなってくれたそうです。
ただ、本人としては債務整理をするにあたって、彼は最後までためらったとのことでした。とうのは、自分の計画のなさで借りたものを返せなかったことが、社会人としての恥ずかしくて申し訳なかったからです。
しかし、弁護士さんは『そこまで反省しているのであれば、今後の生活も大丈夫ですよ』とおっしゃってくれたので、最終的には自己破産での再出発を選択したそうです。
現在では、事業をたたみ、家族を守るため、同じ過ちをおこさないためと懸命に働いています。どこか前よりも明るくなったような気はします。
ひとりで悩まずにはじめから相談すればよかった。いろいろありがとう。と言われましたが、最終はやはり専門家の弁護士の先生の力が大きかったんだと思います。私も今回の件を通して、困ったときには、専門家の力を借りるのが重要ということがよく分かりました。