550万の借金のうち450万が時効になったWさんの体験談
私は29歳のときに会社を退職して独立をし、自営業で生計を立てるようになりました。ただ、すぐには事業が上手くいかずに、その1年後の30歳の時です。
最初に借り入れたのは消費者金融から100万円だけでした。ただ、その後も銀行のカードローン、クレジット会社など次々にお金を借りて、最終的には5社合計550万円ほど借り入れました。
そもそも借金のきっかけは、業績不振が原因で事務所家賃を借りたのが始まりです。次いで生活費も借り入れたお金でまかなうようになりました。
その後は返済に行き詰るようになり、借金問題の解決方法に調べていたところ、個人の借り入れに対しても債務整理が出来ることを知ったんですね。たしか、電車内に掲載されていた某法律事務の広告で債務整理のことを知りました。
その後、インターネットや週刊誌で調べましたが、結局自分では債務整理しようとは考えませんでした。しかし、お金を返す当てはありません。結局、借金を焦げ付かせたまま、ほとんどの借り入れが時効を迎えたんですね。
ただ、言い訳をするようですが、基本的に借りたものは返すのが当たり前ですし、またその覚悟があったからこそ債務整理はしませんでした。いつかは返そうと思っていたのです。
しかし、そうこうしているうちに借金は時効になっりました。ただそれは結果です。借金をしている最中は、とにかく生きた心地がせず、毎日が暗澹(あんたん)たる思いで過ごすのは辛かったです。
ですから時効で返済をせず金銭面では楽が出来たものの、その間の苦しみを考えると、変な言い方ですが償いはしたのかなと思うことがあります。
逆に言えばそのくらいきつかったです。特に督促の電話はしれつでした。取立ては当然家まで押しかけて来ましたが、とにかく居留守で耐えしのぎました。
商法で時効は最後の返済、もしくは最後の正式な取り立てから5年後だと知ってからは、ひたすらその日を待ちました。しかし、5年を目前にして訴えれたらどうしようとか、不安は募りました。
知り合いに司法書士をしている人がいましたが、相談はしませんでした。していることの次元が余りに低いために恥ずかしくて打ち明けることも出来なかったのです。おしなべて誰にも本当のことは話せない、それが一番の苦しみであったかもしれません。
時効は任意整理や特定調停に近いかもしれませんが、していることはあくまでこちらサイドの都合です。精神的にきついものありますので、決しておすすめできるようなことではありません。
ただし、意整理がそうであるように、債権によっては時効まで焦げ付かせることをせず、自分の意志で返すことは出来ます。事実私は今現在取引のある金融会社一社のみは返済を続けています。
借り入れたうち時効で消滅させたのは550万円の内の450万。残りの100万は自力で働いて返済をしました。
5年が過ぎた後、時効を成立させるための費用は、債権者に送る内容証明付き郵便の代金だけです。
もちろん、時効までの5年間、債権者に知られている電話には全く出れませんでした。督促状は見ずに廃棄していました。
内容証明付きで送られて来る訴状を除き、金融会社が出して寄越す督促状は正式な取立てにはならないそうなので、捨てることで時効停止期間にカウントされないとのことでしたから。
時効にしてよかった点は、やはり返済をしなくて済んだことです。私にとって時効で消滅させた450万は1年間の収入を超えていましたので、これがあるとないとでは生活の建て直しに要する時間がまるで違っていたと思います。
その代わり、信用情報にブラックリストには載ります。しばらくはローンも借金もできません。
さいごに今借金が返せずに困っている方へのアドバイスですが、おいそれと時効まで凌ぐことは勧められません。先にも書いたようにその間の生活は辛いものだからです。
できれば恥ずかしからずに、借金整理のプロである弁護士や司法書士に相談してくださいね。そうすれば、真っ当な方法な借金整理に取り組むことができるので、私のように逃げ隠れせずに生活できるはずです。